6穀雨(こくう)

6. 穀雨(こくう) 4月19日〜21日

田植えの準備がはじまり、穀物を潤す雨が降る

七十二候

  • 葭始生 (あしはじめてしょうず)葦が芽を吹き始める(4/20~24頃)
  • 霜止出苗 (しもやんでなえいずる) 霜が収まり苗代の稲が育つ(4/25~29頃)
  • 牡丹華 (ぼたんはなさく) 牡丹の花が咲き始める(4/30~5/4頃)

穀雨とは、穀物の成長を助ける雨

本格的な農繁期のはじまり

春の最後の節気「穀雨」。 穀雨とは、穀物の成長を助ける雨のこと。江戸時代の暦の解説書『こよみ便覧』には「春雨降りて百穀を生化すればなり」と記されています。(雨の日が多くなり、百穀(様々な穀物)がすくすくと成長します。) 穀雨の頃から、 田植えや野菜苗植えなどがおこなわれ 本格的な農繁期がはじまります。

土気が盛んになる土用

土用に避けるべきこと 3つとは。

次は、「立夏」。

土用とは、年4回ある季節が変わる、四立(立春・立夏・立秋・立冬)の直前約18日間ずつの時期(雑節)。 土用は、土気が盛んです。

昔から、土の神様が祟ると言われ、土に関する(土いじりや地鎮祭)、新しいこと(新居購入、開業など)、方向に関すること(旅行、引っ越しなど)は土用期間中は避けたほうが良いと言われていますね。

土用は胃腸に注意!

中医の土は脾(胃腸)だから

中医では、「脾」は五行の「土」に属します。土、すなわち「脾の気」が盛んになり、土用にはお腹を壊しやすい時なのです。梅雨にも備えて「脾」の養生を心がけましょう。

「脾」のケアは、「健脾利湿」。

胃腸を強くして余分の水を溜めないで循環させること。

「脾」はジメジメが嫌い。 「脾」のケアは、「健脾利湿」。胃腸を強くして余分の水を溜めないで循環させることです。 たまってしまった水を痰湿と呼びます。

●ちょっと解説● 西洋医学の「脾臓」と中医学の「脾」は違います。

西洋医学の「脾臓」と中医学の「脾」は違います。(肝心脾肺腎とよく出てきますが、中医では西洋医学の解剖学での臓器の名前ではなく、働きを指すもの。)

そのうちの 中医学の「脾」は、①飲食物から営養を吸収し、生命活動に必要なエネルギー「気・血・水(津液)」をつくり、全身に運ぶ(運化)働きと、②「血」が脈外に漏れないようにする働きなどをしています。

脾弱な子=脾(胃腸)が弱い子

胃腸ケアで丈夫な子に

元気のない子どもを「ひ弱な子」と言いますが、漢字は「脾弱い」と書きます。 つまり脾(胃腸)が弱いということです。

ほとんどの病気や症状の大元に「脾虚」があります。脾が強くないと、 気血を作れない。脾弱であると、「気虚」体質や「血虚」体質になりやすいです。「気虚」や「血虚」を放っておくと運化の働きが低下して、次に 「痰湿体質」になっていきます。

このように 「脾気虚」により「脾」の運化作用が低下して津液(水)の巡りが悪くなり痰湿が停滞して 「脾虚湿盛」という状態になります。 脾に気虚体質と痰湿体質が同時にある状況です。

痰湿を溜めない体になるために

ニキビ湿疹、 むくみや肥満の原因、痰湿

胃腸ケア(脾ケア)を、きちんとして痰湿を溜めない体にしておきましょう。そうでないと、 中医では「痰湿」 はニキビ湿疹、 むくみや肥満のほか、 膝痛、四十肩などの関節痛などのほか、リウマチや掌蹠膿疱症などのさまざまな不調をもたらすと考えられています。

怪病多痰

とにかく痰湿は溜めないこと

また 中医では原因不明の 病気や治療法のない難病は「怪病多痰」と言い痰湿を除くケアをしていくことが多いです。

寝ても寝ても眠たい!中医学では「嗜眠証」

春眠不覚暁(しゅんみんあかつきをおぼえず)「春は眠り心地がよいので、朝が来たことに気づけず、寝過ごしてしまう」唐・詩人 孟浩然

食後は、消化のために胃に血液が送られ脳の血量が減り、多少眠くなるものですが、強い眠気の場合には注意。 眠たくて眠たくて寝ても寝ても眠たい!。中医学では「嗜眠証」と病名がついています。 「嗜眠証」は、①痰湿(たんしつ)、②脾の気虚(ききょ)、③陽虚(ようきょ)などが原因 です。これらすべての 原因に胃腸の弱さ(脾の気虚)があります。

①【痰湿体質ケア】

水の巡りが悪く体が重だるく感じる人 ですね。 脂濃いもの、加工食品を避け、湿邪を溜めないように。

②【脾の気虚体質】③【陽虚体質】

胃腸が弱い のが脾の気虚体質。日本人が1番多い体質でもあります。これをケアせず放置すると、気虚体質から陽虚体質になってしまいます。陽虚体質は中医の冷え症です。

この体質の人は、特に 冷たい食べ物や生ものの多食を避けましょう。陽虚や脾気虚をケアしないと痰湿体質にもなってしまうのです。

梅雨になる前の春の土用にしっかりと「脾」をケアしましょう。穀雨以降は湿度が高くなってきますので、外からも湿邪が入ってきます。ケアをしないと、梅雨になって不調がちになってしまいますよ

気虚体質や血虚体質、陽虚体質、湿痰体質の方は、特に土用の間にしっかりと健脾利湿をしましょう。

「気虚体質」とは主に疲れやすい、やる気がないとか、冷え症、免疫力が低い、内臓下垂、尿漏れ、などが起こりやすい人。 「血虚体質」は主に貧血や肌荒れ、物忘れ、痺れや目のかすみのある方。ご家族の漢方体質を把握しておくことは。食事を作る人にとっては、大切ですね。

【穀雨】黄帝内経24節気養生法
《疎肝清熱》《健脾祛湿》《補腎養陰》

補腎で肝ケア

穀雨は風湿邪に侵されやすく、湿熱の変わりやすい時期なので神経痛などのトラブルに注意。

穀雨節気では、 平抑肝陽・補腎柔肝(肝陽が抑えられ、腎が補うことで肝もしなやかに。)ちょっと難しいのですが、 補腎養陰、慈水涵木。腎を補うことで肝を強化するという間接的な中医のケア方法です。

穀雨では目がかすみ口・鼻が渇く、などが起こりがち。寒涼性の補陰類を多めに食べて予防しましょう。

  • クコの実
  • 西瓜
  • バナナ
  • さつまいも
  • 茄子
  • ゴマ
  • ピーナッツ
  • ジャスミン
  • 納豆
  • 林檎

脾の働きを高める 食べ物は、穀物類、豆類、芋類など。甘味を持った食べ物が脾の働きを高める食べ物です。胃腸の弱い人は覚えておくと便利。

https://creme-cremes.com/school-recipes/sweets/apple-jelly-like-beer.html ゼラチンの気泡性を利用して考案したレシピ。 楽天で紹介されて模倣レシピたくさん出回っております!【ビールみたいなりんごゼリー】。

関連記事

TOP
error: Content is protected !!